行財政改革の推進と分権・自治の確立について
@ 法人事業税のうち400億円を超える額が国税に移管され、事業執行への影響が懸念される。その場合も社会的弱者に対する予算措置を優先させ、格差の是正を図ること。また、今回の暫定措置が長期化することのないよう早期に元の制度に戻すことと併せ、地方分権に向けた今後の地方財源のあり方について国及び全国知事会で十分に議論するよう働きかけること。
A 財政の健全化を図るには何よりも4兆円にのぼる債務残高を計画的に減額させていくことが求められる。特に予算編成においては、法人事業税の財源補填や今後続く退職手当の財源が大きくのしかかるが、安易な起債による財源確保でさらに債務残高が膨れ上がることがないよう財政健全化の方向で検討すること。
B 県職員及び引退議員の天下り先となっている県関係団体で、長年にわたる随意契約による不適切な業務処理が包括外部監査の報告で明らかになった。県関係団体の経営効率化に向けて厳しいチェック体制を確立するとともに、再任用制度の拡充などによって職員の天下りを抑止する体制づくりを推進すること。
C 電子入札システムによる入札方法の改善の効果を高め、さらなる談合防止、落札率の改善に努めること。同時に、価格だけの判断ではなく、技術力・環境への対応・労働者保護・地域貢献といった評価項目も加えた総合評価落札方式の充実を図るとともに、公契約の理念を県民・企業に普及させ、公正な労働基準の確保を目指した公契約条例を制定すること。
D 中小企業に対する融資制度や信用保証料補助制度など、県と市町村が重複して実施している事業は、市町村にその権限を移譲し、一層の地方分権を推進すること。また、道州制の推進に向けては県が隣接各県との協議をリードし、国-道州-基礎的自治体それぞれが担うべき役割を明確にするなど具体的な作業に入り、地方から基本構想について発信すること。

 健康・福祉社会づくりの推進について
@ ストレス社会といわれる中で、うつ病など「心の病」が急増し、愛知県内の年間自殺者は1,500人にものぼる。そこで、本県として「自殺対策総合計画」を策定し、自殺の原因にもなるうつ病対策をはじめ、自殺者減少に向けた総合的かつきめ細やかな施策を計画的に推進すること。
A 高齢社会を迎え、介護が必要な要介護者は2014年には全国で600万人を超えると想定され、介護労働者は140万〜160万人必要だと見込まれている。しかし、介護労働者の現状は、厳しい労働環境と給与水準も全産業平均に比べて低いことから離職率が高く、人材確保が緊急課題である。介護職場の人材確保のために、賃金など労働環境の改善と、介護福祉士等の職場への再就職支援を積極的に推進すること。
B 医師の地域的な偏在や小児科・産科など特定の診療科における医師不足対策は待ったなしの状況である。各医療圏ごとに県が主体となり「圏域保険医療福祉推進会議」を積極的に活用して、早期に解決を図ること。さらに、ドクターバンク制度や女性医師の復職策など、効果ある事業を推進するとともに、医師確保および勤務医の勤務・処遇改善に向けた抜本的な改革を国に働きかけること。
C ノーマライゼーションの理念を広く県民・企業に理解を得る活動を展開していくために「障害者差別禁止条例」を制定すること。また、障害者自立支援法に定める応益負担に耐えられない利用者の実態を直視し、生活実態を考慮した支援策を講ずることと、福祉施設入所者などの地域生活への移行を推進するための拠点として「ピアサポートグループ(自立生活センター)」の早期実現を図ること。
D 介護療養型医療施設の廃止を含む療養病床の再編成に伴い、「療養難民」が発生しないように「地域ケア体制整備構想」に基づき、計画的な療養病床の転換を進めること。
E 今年度から施行される老人保健法の改正により、高齢者の医療確保に関する法律に義務づけられた40歳から74歳までの特定健康診査、特定保健指導が着実に実施されるように、特に、被扶養者の健康診査の実施が、市町村から医療保険者に移行することによる混乱が起きないよう関係機関に働きかけること。また、後期高齢者医療広域連合が円滑に運営されるよう必要な助言を行うこと。
F 文部科学省と厚生労働省が連携して推進する放課後子どもプラン並びに厚生労働省の放課後児童クラブのガイドラインに基づき未設置の小学校区の解消など各市町村の取り組みに対し支援・指導すること。また、児童71人以上の大規模クラブに対しては2010年から国の補助が廃止されるため、円滑に施設分割などの措置が遅滞なく講じられるように計画的に取組むこと。

 愛知の教育新生の取組みなどの推進について
@ 少人数学級の必要性に加え、発達障害や外国人への対応など、児童生徒一人ひとりに対してきめ細かな指導が行なえるような教育環境の充実が求められるが、それに対応できる教員配置の適正化に向けて改善を図ること。
A 2007年4月に実施された全国学力・学習状況調査の結果を踏まえ、本県小中学校の児童生徒の学力向上に向けた実践的な取組を、市町村教育委員会とも連携を密にしながら努めていくこと。
B いじめによる不登校や自殺が増加する中、現場である学校でいじめを見逃さない体制づくりと、いじめに悩む児童生徒とその家族などが相談できる体制を充実させること。また、小学校でのいじめも深刻化する中、スクールカウンセラーの配置を県下すべての小学校に拡充し、いじめ問題を解決する対策にしっかりと取り組むこと。

 安心・安全なあいちづくりの推進について
@ 平成26年度までに地震による死者数を半減するという目標を達成するために、県は市町村任せにするのではなく、自らが責任を持って昭和56年以前に建てられた木造住宅の早急な耐震診断の実施及び安価な工法アピールによる耐震改修の工事に積極的に取組むこと。
A 県内の土石流危険渓流・地すべり危険箇所・急傾斜地崩壊危険箇所の合計は約1万1千か所にのぼる。緊急度の高い箇所から順次整備に着手し、地域の安全の確保に努めること。また、東海・東南海地震の際の緊急輸送道路上にある古い耐震基準で作られた崩落の危険性のある100の橋についても、早期に耐震改修を進めること。
B 長崎県佐世保市の銃乱射事件を受けて、本県の銃所有者に対して、銃の保管状況や用途に関する確認調査を徹底すること。また、銃所有の許可や更新申請時には、細心かつ厳格に銃所持審査を行うこと。
C 昨年の交通事故死者数は懸命な安全対策の結果大幅に減少したものの、全国ワースト1の汚名を返上することはできなかった。本年も、引き続き徹底した交通安全対策を講ずること。特に事故の多かった高齢者の要因分析に努め、効果的な対策を実施すること。
D 変死体の「検視」は、検視立会医師と所轄警察署の刑事課員が行なうものの、法医学の専門知識に乏しく、死因の判断に迷う場合もある。そこで、本県として、現場で検視を行う両者への検視技能の向上と、検視体制の強化を積極的に図ること。

 産業活性化および雇用対策の推進について
@ 「知の拠点」の中核施設である科学技術交流センターの整備を着実に進めるともに、産・学・行政連携による研究プロジェクトの取組み内容を早期に決定してその基盤を確立すること。また、県内に企業の生産拠点を確保するため、アクセス道路を伴う産業用地の開発を進めること。
A 高度先端産業や航空宇宙産業など次世代を担う産業の育成・集積に向けた環境整備を図ること。また、中小企業の持つ技術力を継承するための人材育成・職業訓練の場を設けるとともに、企業基盤の安定化に向けた支援策を講ずること。
B 中心市街地活性化に向けたこれまでの取組みと成果を検証した上で、有効な情報・ノウハウを県下に展開すること。また、改正されたまちづくり3法に伴う中心市街地のまちづくりに対して市町村に適切な助言を行うこと。
C 年齢層毎(若者、高齢者)、女性、障害者、外国人(外国籍県民)の雇用促進に向けた就業相談にきめ細かく対応するため、職業支援センターの機能の多様化を図ること。

 環境先進県づくりの推進等について
@ 「温室効果ガス6%削減」の目標達成に向けては、家庭部門での対策推進が重要であり、県民一人ひとりがエコライフの実践に取組むことが必要である。家庭でできる省エネルギーなどの具体的な取組みを広く県民に周知・実践を呼びかけることで、家庭部門における地球温暖化対策の推進を図ること。
A 環境万博と位置づけられた愛・地球博の理念を実践していく上で、資源循環型社会をめざした各種取組を加速させていかなければならない。また、2010年に開催のCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)は、本県が進めている身近な自然との共生を内外に発信する絶好の機会と捉え、関係機関とも連携をとって愛知県での開催に向けた誘致活動を積極的に進めること。
B 「設楽ダム」については、ダム周辺の自然環境および三河湾の生態系に影響を及ぼすことが指摘されているため、地域住民並びに関係者の理解も含め、“環境先進県”としての対策を推進すること。

 農林水産業の振興について
@ 安心・安全な農作物の提供を実現するため、検査体制の充実を図るとともに、有機農法の拡大や低農薬栽培の推進、農業の活性化に向けた地産地消を推奨するための販路拡大に向けて取組みを進めること。さらに、増加傾向にある耕作放棄地について、明確な利活用策と解消策を示し、地域と一体となった有効利用を図ること。
A 荒廃した森林の整備促進のため、事業地の団地化・林道整備・機械化を進めて間伐作業を推進するとともに、平成21年度から新たに導入される「あいち森と緑づくり税(仮称)」を活用した事業の促進を図ること。
B 相次ぐ、食品の偽装問題の発覚を受け、食品への信頼が大きく揺らぎ県民の多くが食への不安を感じている。そこで本県として、食への信頼を回復するために、製造者へはコンプライアンス(法令遵守)の徹底を指導するとともに、行政として食品の監視体制並びに検査体制の充実・強化を図ること。

 社会基盤の整備等について
@ 県営名古屋空港はコミューター航空やビジネス機などの小型機拠点空港である特色を生かした利用促進を図るとともに、航空宇宙産業の集積地域として、また防災拠点として地域と一体となった活性化を進めること。併せて、自衛隊機の炎上や米戦闘機の緊急着陸などの事件を踏まえ安全性に配慮した空港運営を行うこと。
A 名古屋高速道路の2010年全線開通を機に、料金引き下げが実施できるよう、さらなる経営の合理化・建設コストの縮減に向けた努力を強く促すこと。
B リニモ(東部丘陵線)の経営改善に向けて、土地利用の見直しや沿線施設の誘致など県が主体的に取組むこと。また、廃止された新交通桃花台線について、インフラの利活用等の的確な判断と尾張北部地域広域ネットワークを念頭においた代替交通の充実を図ること。